二酸化炭素消火設備の放出事故の発生について
目次
こんにちは。今回は最近多発している消防設備の事故について話していきます。
また同時に、この度お亡くなりになられた方に対してご冥福をお祈り申し上げます。
事故の概要
令和2年12月22日 愛知県
愛知県名古屋市内の立体駐車場において、二酸化炭素を消火剤とする不活性ガス消火設備が誤操作により放出され、死者1名、負傷者10名を出す事故が発生しました。
令和3年1月23日 東京都
東京都港区内の立体駐車場において、同様に点検作業中に誤作動により、死者2名、負傷者1名が発生する事故が発生しました。
後述しますが、過去にも同様の事故が散見され安全対策のガイドラインが制定された背景がありますが、
今回の痛ましい事故により、安全管理体制等にまた何かしら動きがあるかもしれません。
二酸化炭素中毒とは?
今回の事故はどちらも死因は二酸化炭素中毒と推測できますが、症例自体少ないものらしく、あまり聞きなじみはないと思います。
二酸化炭素を吸入した場合の症状は以下のとおりです。
①気中濃度が3~6%の場合:数分から数十分の吸入で、過呼吸、頭痛、めまい、悪心、知覚の低下などが現れる。
②気中濃度が10%以上の場合:数分以内に意識喪失し、放置すれば急速に呼吸停止を経て死に至る。
③気中濃度が30%以上の場合:8~12呼吸で意識を喪失する。
なお、消火設備として放出された場合は防護区画内はおおむね35%程度になるそうです。
なので、数呼吸してしまうだけで意識を喪失し、死亡してしまう可能性が高いと言えます。
おそらく一酸化炭素中毒はご存知だと思いますが、症状等はそれと似た感じのようです。
これまでの安全対策について
これまで消防庁では、
「ハロゲン化物消火設備・機器の使用抑制等について」 (平成3年8月16日付 消防危第88号・消防予第161号)
の第3により、二酸化炭素消火設備の安全対策について通知を発出しています。
またその後、安全対策の充実を図るため、
「全域放出方式の二酸化炭素消火設備の安全対策ガイドラインについて」
(平成9年8月19日付け消防予第133号・消防危第85号)
により通知し、その内容を定めています。
設備業者であれば必ず一度目を通す必要がある内容だと思います。
昨年の事故を受けて
国は愛知県での事故を踏まえ、
「二酸化炭素消防設備の放出事故の発生について」(令和2年12月23日付 消防予第410号)で、
①二酸化炭素消火設備が設けられている付近で設備の設置工事、改修工事又はメンテナンスが行われる場合には、誤作動や誤放出を行わせないよう第三類の消防設備士又は二酸化炭素消火設備を熟知した第一種の消防設備点検資格者が立会うことを推奨すること。
②これまでの安全対策について建物関係者への啓発の機会を捉えた再周知を図るようにすること
を各自治体及び公益社団法人立体駐車場工業会に対し通知しました。
まとめ
これまでの安全対策について問題があったのかというと、個人的にそんなことは無いと思います。
ガイドライン等を確認しても、やはり現場の意識が最も大事だと考えさせられます。
効率等を意識して安全面を疎かにしてしまう、そもそも知識がない等問題は各々あると思いますが、これ以上同様の事故が起きないようにしっかりとした安全管理意識を持って業務にあたりましょう。
それではまた。
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