消防法の解説(第一〇条~第一六条の九)
解説の本文は括弧部分を取り除いて読みやすくしております。全文については消防法一覧を参照してください。
※また割愛している部分もあるので要約されている事を忘れないようにしてください。
目次
第三章 危険物
第三章の二 危険物保安技術協会
第一〇条(危険物の貯蔵・取扱いの制限等)
本文
指定数量以上の危険物は、貯蔵所以外の場所でこれを貯蔵し、又は製造所、貯蔵所及び取扱所以外の場所でこれを取り扱つてはならない。ただし、所轄消防長又は消防署長の承認を受けて指定数量以上の危険物を、十日以内の期間、仮に貯蔵し、又は取り扱う場合は、この限りでない。
② 別表第一に掲げる品名又は指定数量を異にする二以上の危険物を同一の場所で貯蔵し、又は取り扱う場合において、当該貯蔵又は取扱いに係るそれぞれの危険物の数量を当該危険物の指定数量で除し、その商の和が一以上となるときは、当該場所は、指定数量以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱つているものとみなす。
③ 製造所、貯蔵所又は取扱所においてする危険物の貯蔵又は取扱は、政令で定める技術上の基準に従つてこれをしなければならない。
④ 製造所、貯蔵所及び取扱所の位置、構造及び設備の技術上の基準は、政令でこれを定める。
解説
第一項
この法令は、指定数量以上の危険物は、貯蔵所以外の場所で貯蔵、また取扱所等以外の場所で取り扱ってはいけないと規定されています。また、例外として仮貯蔵、仮取扱いの制度も認められています。
目的としては、
危険物を貯蔵所以外の場所で取り扱えば非常に危険であり、それらを規制し安全を図る目的があると言えます。
しかし、それらを全て規制しそれ以外を認めないというのは酷であるという見地から、便宜上、例外も認められるものもあります。
ちなみにこの法令は特に危険が伴うため、知らなかったでは済まされません。
罰則も規定されており、危険が大きいためその分厳しいものとなっています。
第一項違反には、懲役一年以下・罰金100万円以下もあるので気をつけましょう。
貯蔵所や取扱所等というのは、
・製造所
・貯蔵所 ①屋内貯蔵所 ②屋外タンク貯蔵所 ③屋内タンク貯蔵所 ④地下タンク貯蔵所 ⑤簡易タンク貯蔵所 ⑥移動タンク貯蔵所 ⑦屋外貯蔵所
・取扱所 ①給油取扱所 ②販売取扱所 ③移送取扱所 ④一般取扱所
こんな感じで細かく分かれています。
この中で一番身近なのは給油取扱所で、いわゆるガソリンスタンドです。
簡単に、ガソリンスタンドみたいな感じかーってぐらいで覚えてたらいいと思います。
第二項
第二項では、指定数量の考え方について規定されています。
危険物が複数あり、それらを同一の場合で貯蔵・取り扱う場合の指定数量はその危険物ごとに指定数量の計算し、合算して判断するとされています。
第三項
第三項では、製造所、貯蔵所又は取扱所において危険物の貯蔵・取扱いは政令で定める技術上の基準に従わなければならないと規定されています。
第四項
第四項では、製造所、貯蔵所又は取扱所の「位置、構造及び設備」の技術上の基準を政令で定めることを規定しています。
第一一条(製造所等の設置、変更等)
本文
製造所、貯蔵所又は取扱所を設置しようとする者は、政令で定めるところにより、製造所、貯蔵所又は取扱所ごとに、次の各号に掲げる製造所、貯蔵所又は取扱所の区分に応じ、当該各号に定める者の許可を受けなければならない。製造所、貯蔵所又は取扱所の位置、構造又は設備を変更しようとする者も、同様とする。
一 消防本部及び消防署を置く市町村の区域に設置される製造所、貯蔵所又は取扱所 当該市町村長
二 消防本部等所在市町村以外の市町村の区域に設置される製造所、貯蔵所又は取扱所 当該区域を管轄する都道府県知事
三 一の消防本部等所在市町村の区域のみに設置される移送取扱所 当該市町村長
四 前号の移送取扱所以外の移送取扱所 当該移送取扱所が設置される区域を管轄する都道府県知事
② 前項各号に掲げる製造所、貯蔵所又は取扱所の区分に応じ当該各号に定める市町村長、都道府県知事又は総務大臣は、同項の規定による許可の申請があつた場合において、その製造所、貯蔵所又は取扱所の位置、構造及び設備が前条第四項の技術上の基準に適合し、かつ、当該製造所、貯蔵所又は取扱所においてする危険物の貯蔵又は取扱いが公共の安全の維持又は災害の発生の防止に支障を及ぼすおそれがないものであるときは、許可を与えなければならない。
③ 総務大臣は、移送取扱所について第一項第四号の規定による許可をしようとするときは、その旨を関係都道府県知事に通知しなければならない。この場合においては、関係都道府県知事は、当該許可に関し、総務大臣に対し、意見を申し出ることができる。
④ 関係市町村長は、移送取扱所についての第一項第四号の規定による許可に関し、当該都道府県知事又は総務大臣に対し、意見を申し出ることができる。
⑤ 第一項の規定による許可を受けた者は、製造所、貯蔵所若しくは取扱所を設置したとき又は製造所、貯蔵所若しくは取扱所の位置、構造若しくは設備を変更したときは、当該製造所、貯蔵所又は取扱所につき市町村長等が行う完成検査を受け、これらが前条第四項の技術上の基準に適合していると認められた後でなければ、これを使用してはならない。ただし、製造所、貯蔵所又は取扱所の位置、構造又は設備を変更する場合において、当該製造所、貯蔵所又は取扱所のうち当該変更の工事に係る部分以外の部分の全部又は一部について市町村長等の承認を受けたときは、完成検査を受ける前においても、仮に、当該承認を受けた部分を使用することができる。
⑥ 製造所、貯蔵所又は取扱所の譲渡又は引渡があつたときは、譲受人又は引渡を受けた者は、第一項の規定による許可を受けた者の地位を承継する。この場合において、同項の規定による許可を受けた者の地位を承継した者は、遅滞なくその旨を市町村長等に届け出なければならない。
⑦ 市町村長等は、政令で定める製造所、貯蔵所又は取扱所について第一項の規定による許可をしたときは、政令で定めるところにより、その旨を国家公安委員会若しくは都道府県公安委員会又は海上保安庁長官に通報しなければならない。
解説
第一項
ここの法令は、製造所、貯蔵所又は取扱所を設置する際は、各々決められた者から許可を受けなければならないと規定されており、それらの位置・構造等を変更する場合も同様とされています。また、完成検査を受けて、その基準に適合することが必要と規定されています。
目的としては、
危険物を使用する場所の把握もそうですが、完成検査により「位置、構造及び設備」の部分から製造所等の安全性を前もって確保することとされています。
許可を受ける相手については設置される場所によって若干変わり、以下のようになっています。(移送取扱所については省略させて頂いてます。)
・消防署、消防本部がある市町村のその管轄内 → 市町村長
・消防本部等がない市町村 → 都道府県知事
なお、この法令にも罰則が定められており、 懲役6ヶ月以下・罰金50万円以下等が規定されています
第二項
第二項では、許可権者は許可の申請が基準に適合し、公共の安全又は災害の発生の防止に支障を及ぼすおそれがない場合は許可を与えなければならないと規定されています。
第三項及び第四項
第三項、第四項は一般の方にはほぼ関係ないので、内容が多いため省略します。
第五項
第五項では、設置または変更等をした場合は「完成検査」を受け基準に適合しているか認められるまでは使用してはいけないと規定されています。
つまり完成検査の結果「基準に適合している」と認められて始めて施設を使えるようになるという事です。しかし、変更の場合は当該工事部分以外で承認を受ければ完成検査を受ける前でも承認を受けた場所を使用する事ができます。
第六項
第六項では、施設等の譲渡及び引渡しがあった場合は、それを受けた人が該当する関係組織に届出をするように規定されています。
第七項
第七項では、許可権者が許可を行った場合は、その旨を海上保安庁長官等に報告することが規定されています。
第一一条の二(製造所等の完成検査前検査)
本文
政令で定める製造所、貯蔵所若しくは取扱所の設置又はその位置、構造若しくは設備の変更について前条第一項の規定による許可を受けた者は、当該許可に係る工事で政令で定めるものについては、同条第五項の完成検査を受ける前において、政令で定める工事の工程ごとに、当該製造所、貯蔵所又は取扱所に係る構造及び設備に関する事項で政令で定めるものが第十条第四項の技術上の基準に適合しているかどうかについて、市町村長等が行う検査を受けなければならない。
② 前項に規定する者は、同項の検査において特定事項が第十条第四項の技術上の基準に適合していると認められた後でなければ、当該特定事項に係る製造所、貯蔵所若しくは取扱所の設置又はその位置、構造若しくは設備の変更の工事について、前条第五項の完成検査を受けることができない。
③ 第一項に規定する者は、同項の検査において第十条第四項の技術上の基準に適合していると認められた特定事項に係る製造所、貯蔵所若しくは取扱所の設置又はその位置、構造若しくは設備の変更の工事につき、前条第五項の完成検査を受けるときは、当該特定事項については、同項の完成検査を受けることを要しない。
解説
第一項
この法令では、製造所等の完成検査前検査について規定されているもので、安全性の確保が重要と考えられるタンクを有する製造所等に「完成検査前検査」をうけることが義務付けられています。
検査の前の検査って一体何の検査なんだって思う方も居ると思いますが、私もそう思ってました。
目的としては、
工事後の完成検査だけでは、それらの工事の工程を把握することが出来ず、その結果工程の不良等により事故や異常が発生するおそれがあります。
そのため、完成検査を受ける前段階で工事工程検査として完成検査前検査ができました。
「完成検査前検査」の内容とは、
完成検査前の工事中に行う、タンクの基礎、地盤、溶接部検査、水張検査ら水圧試験をいいます。
参考までに、完成検査前検査で検査した項目については完成検査を受ける必要がないため、検査を受ける項目については実質完成検査と同じものとなります。
簡単にまとめると、
製造所等の安全性をさらに確保するために、検査すべき事項の一部をより充実させた感じだと思って下さい。
第二項及び第三項
第二項と第三項では、完成検査を受けることができない場合と完成検査を受けなくてもいい場合について規定されています。
第一一条の三(危険物保安技術協会)
本文
町村長等は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に掲げる事項を危険物保安技術協会に委託することができる。
一 第十一条第二項の場合において、同条第一項の規定による許可の申請に係る貯蔵所が政令で定める屋外タンク貯蔵所であるとき。 当該屋外タンク貯蔵所に係る構造及び設備に関する事項で政令で定めるものが第十条第四項の技術上の基準に適合するかどうかの審査
二 前条第一項の場合において、同項の貯蔵所が政令で定める屋外タンク貯蔵所であるとき。 当該屋外タンク貯蔵所に係る特定事項のうち政令で定めるものが第十条第四項の技術上の基準に適合するかどうかの審査
解説
この法令は、屋外タンク貯蔵所の設置または変更で市町村長等が行う許可及び完成検査前検査について審査の一部を危険物保安技術協会に委託できると規定されています。
この法令の背景として、
昭和に発生した重油流出事故等が相次ぎ、屋外タンク貯蔵所の保安体制の強化が考えられるようになりました。
その内容として、
①タンクの位置、構造及び設備に関する技術基準の強化
②タンクの検査ら点検システムの整備
③タンクの保安に関する中立的な検査機関の設置
この③については昭和51年に法改正があり、危険物保安技術協会が設立されその業務の一つ「審査業務」についてこの法令が規定されました
第一一条の四(貯蔵又は取り扱う危険物の品名、数量又は指定数量の倍数変更の届出)
本文
製造所、貯蔵所又は取扱所の位置、構造又は設備を変更しないで、当該製造所、貯蔵所又は取扱所において貯蔵し、又は取り扱う危険物の品名、数量又は指定数量の倍数を変更しようとする者は、変更しようとする日の十日前までに、その旨を市町村長等に届け出なければならない。
② 前項の場合において、別表第一の品名欄に掲げる物品のうち同表第一類の項第十一号、第二類の項第八号、第三類の項第十二号、第五類の項第十一号又は第六類の項第五号の危険物は、当該物品に含有されている当該品名欄の物品が異なるときは、それぞれ異なる品名の危険物とみなす。
③ 第十一条第七項の規定は、同項に規定する製造所、貯蔵所又は取扱所につき第一項の届出があつた場合について準用する。
解説
第一項
この法令は、製造所等の位置ら構造または設備を変更せずに、貯蔵・取扱いしている危険物の品名、数量又は指定数量の倍数を変更する場合は10日前までに届出をする義務について規定されています。
この法令の目的としては、
貯蔵・取扱う危険物の品名、数量又は指定数量の倍数は許可事項ではないんですが、製造所等の設置又は変更の許可の際に、その基準に適合しているかを判断するために必要になります。
そのため、それらが変更となる場合に届出をさせることでその実態を消防機関に把握させる目的があります。
なおこの法令には罰則があり、届出を怠ると、30万円以下の罰金又は拘留に処されます。
第二項及び第三項
第二項、第三項については、かなり専門的であまり説明の意味もなさそうなので、省略させて頂きます。
第一一条の五(危険物の貯蔵取扱基準適合命令)
本文
市町村長等は、製造所、貯蔵所又は取扱所においてする危険物の貯蔵又は取扱いが第十条第三項の規定に違反していると認めるときは、当該製造所、貯蔵所又は取扱所の所有者、管理者又は占有者に対し、同項の技術上の基準に従つて危険物を貯蔵し、又は取り扱うべきことを命ずることができる。
② 市町村長は、その管轄する区域にある移動タンク貯蔵所について、前項の規定の例により、第十条第三項の技術上の基準に従つて危険物を貯蔵し、又は取り扱うべきことを命ずることができる。
③ 市町村長は、前項の規定による命令をしたときは、当該命令に係る移動タンク貯蔵所につき第十一条第一項の規定による許可をした市町村長等に対し、総務省令で定めるところにより、速やかに、その旨を通知しなければならない。
④ 市町村長等又は市町村長は、それぞれ第一項又は第二項の規定による命令をした場合においては、標識の設置その他総務省令で定める方法により、その旨を公示しなければならない。
⑤ 前項の標識は、第一項又は第二項の規定による命令に係る製造所、貯蔵所又は取扱所に設置することができる。この場合においては、第一項又は第二項の規定による命令に係る製造所、貯蔵所又は取扱所の所有者、管理者又は占有者は、当該標識の設置を拒み、又は妨げてはならない。
解説
第一項
この法令は、製造所等における危険物の貯蔵・取扱いが技術上の基準に違反している場合にそれを適合させるよう命令出来る権利が規定されています。
この法令の目的としては、
製造所等で違法な貯蔵・取扱いにおいて具体的な危険性がある場合に、命令を行うことでこれらの危険を排除する目的があります。
第二項及び第三項
第二項、第三項では、移動タンク貯蔵所の貯蔵・取扱いの基準違反を命令する場合の規定について定まっています。
第四項及び第五項
第四項、第五項では、この法令で命令を行なった場合には公示するように規定されています。
具体的には、命令をした標識を製造所等に設置することができることと、その標識の設置を拒んだり、妨げることの禁止を規定しています。
第十二条(製造所等の維持、管理)
本文
製造所、貯蔵所又は取扱所の所有者、管理者又は占有者は、製造所、貯蔵所又は取扱所の位置、構造及び設備が第十条第四項の技術上の基準に適合するように維持しなければならない。
② 市町村長等は、製造所、貯蔵所又は取扱所の位置、構造及び設備が第十条第四項の技術上の基準に適合していないと認めるときは、製造所、貯蔵所又は取扱所の所有者、管理者又は占有者で権原を有する者に対し、同項の技術上の基準に適合するように、これらを修理し、改造し、又は移転すべきことを命ずることができる。
解説
第一項
この法令は、製造所等を技術上の基準に適合するように維持することを所有者等に義務付け、また市町村長等に基準適合命令の権利を与えることを規定しています。
目的としては、製造所等は設置の際には、完成検査等を受け技術上の基準が確保されているが、その後も引き続きその基準の確保がなければ危険物による災害の防止が難しくなります。また、市町村長等に基準適合命令の権限を付与することで基準適合の確保を図る目的があります。
第二項
第二項では、市町村長等に基準適合命令の権限を付与しています。
第三項
第三項では、第二項の命令を行う場合は消防法第十一条の五第四項及び第五項を準用すると規定されています。
第十二条の二(製造所等の許可の取消し等)
本文
市町村長等は、製造所、貯蔵所又は取扱所の所有者、管理者又は占有者が次の各号の一に該当するときは、当該製造所、貯蔵所又は取扱所について、第十一条第一項の許可を取り消し、又は期間を定めてその使用の停止を命ずることができる。
一 第十一条第一項後段の規定による許可を受けないで、製造所、貯蔵所又は取扱所の位置、構造又は設備を変更したとき。
二 第十一条第五項の規定に違反して、製造所、貯蔵所又は取扱所を使用したとき。
三 前条第二項の規定による命令に違反したとき。
四 第十四条の三第一項又は第二項の規定に違反したとき。
五 第十四条の三の二の規定に違反したとき。
② 市町村長等は、製造所、貯蔵所又は取扱所の所有者、管理者又は占有者が次の各号の一に該当するときは、当該製造所、貯蔵所又は取扱所について、期間を定めてその使用の停止を命ずることができる。
一 第十一条の五第一項又は第二項の規定による命令に違反したとき。
二 第十二条の七第一項の規定に違反したとき。
三 第十三条第一項の規定に違反したとき。
四 第十三条の二十四第一項の規定による命令に違反したとき。
③ 第十一条の五第四項及び第五項の規定は、前二項の規定による命令について準用する。
解説
第一項
この法令は、製造所等に一定の義務違反があった場合に、市町村長等が当該製造所等の許可を取り消し、または使用の停止を命ずる事ができると規定されています。
目的としては、危険物施設の安全を守ることであり、それには技術上の基準や安全管理面をしっかりと行う必要があります。ただ自主的に任せるだけでは、現実問題難しいため、「許可の取消し」及び「使用の停止」の命令によりその安全を図ることが目的となっています。
一定の義務違反とは、
①許可を受けずに製造所等の位置、構造または設備を変更したとき
②完成検査を受けずに製造所等を使用したとき
③製造所等の位置、構造または設備の基準適合命令に違反したとき
④保安に関する検査等を受けていないとき
⑤定期点検をしていないとき
なおこの法令には罰則があり、命令に違反した者は、懲役六ヶ月・罰金50万円以下と厳しいものになっています。
第二項
第二項では、ほぼ第一項と同じ内容で使用の停止を命ずることが出来ると規定されています。
第一項と違うのは、許可の取消しについては規定されていない点です。
第二項の一定の義務違反は、
①危険物の貯蔵又は取扱いの基準適合命令に違反したとき
②危険物保安統括管理者を選任していないとき
③危険物保安監督者を選任せず、また選任しても適切に業務を行っていないとき
④危険物保安統括管理者又は危険物保安監督者の解任命令に違反したとき
第三項
第三項では、命令を行う際は、第十一条の五第四項及び第五項の規定を準用するとされています。
第十二の三条(製造所等の緊急使用停止命令等)
本文
市町村長等は、公共の安全の維持又は災害の発生の防止のため緊急の必要があると認めるときは、製造所、貯蔵所又は取扱所の所有者、管理者又は占有者に対し、当該製造所、貯蔵所若しくは取扱所の使用を一時停止すべきことを命じ、又はその使用を制限することができる。
② 第十一条の五第四項及び第五項の規定は、前項の規定による命令について準用する。
解説
第一項
ここの法令は、市町村長等が災害防止等のため緊急の必要があると認めるときは製造所等の使用の一時停止等を命ずることができると規定されています。
目的としては、災害発生が切迫している危険物施設から災害を防除することが一番の目的であると言えます。
なおこの法令には罰則があり、命令に違反した者は、懲役六ヶ月・罰金50万円以下と厳しいものになっています。
第二項
第二項では、命令を行う際は、第十一条の五第四項及び第五項の規定を準用するとされています。
第十二条の四(関係市町村長の要請等)
本文
関係市町村長は、第十一条第一項第四号の規定による都道府県知事又は総務大臣の許可に係る移送取扱所の設置若しくは維持又は当該移送取扱所における危険物の取扱いに関し災害が発生するおそれがあると認めるときは、当該知事等に対し、必要な措置を講ずべきことを要請することができる。
② 知事等は、前項の要請があつたときは、必要な調査を行い、その結果必要があると認めるときは、第十一条の五第一項、第十二条第二項又は前条第一項の規定による措置その他必要な措置を講じなければならない。
③ 知事等は、前項の措置を講じたときは、速やかに、その旨を関係市町村長に通知しなければならない。
解説
第一項
この法令は、市町村長等は他の市町村長等に対して、災害発生等の危険性がある場合に必要な措置をとるように要請を出来る事について規定されています。
移送取扱所において災害発生等の危険性があり、その施設が複数の地域にわたって存在している場合に適用されます。
目的としては、移送取扱所の施設は事業所の敷地外に渡って設置されることが多く、災害発生時に地域住民に与える影響を考慮して関係市町村長に措置要請権が与えられているものです。
「移送取扱所」とは配管やポンプを使用して危険物を移送するもので、地下を通っているものが多いみたいですが、色々な規制があるようで日本ではあまりないようです。
第二項
第二項では、第一項により要請があった場合には、必要な調査を行い、その結果必要があると認める場合は命令等の措置を行わなければならないと規定されています。
第二項
第三項では、第二項により命令等の措置を行った際は、速やかに関係市町村長等に通知する義務について規定されています。
第十二条の五(応急措置に関する市町村長との協議)
本文
政令で定める移送取扱所の所有者、管理者又は占有者は、当該取扱所について危険物の流出その他の事故が発生し、危険な状態となつた場合において講ずべき応急の措置について、あらかじめ、関係市町村長と協議しておかなければならない。
解説
この法令は、一定規模以上の移送取扱所の関係者等は、その取扱所で危険物の流出その他の事故が発生し、危険な状態となった場合に行う「応急の措置」を事前に関係市町村長と協議する義務について規定されています。
目的としては、一定規模以上の移送取扱所では事故等が発生した場合に地域住民に与える影響が大きいため、あらかじめ関係市町村長と関係者等との間で緊急時の措置について協議することで、その被害を防ぎ軽減する目的があります。
ちなみに協議すべき応急措置の内容は以下の通りです。
①関係者の連絡先、方法、事項
②応急資機材の配置場所
③流出危険物の措置方法
④附近住民への広報事項
第十二条の六(製造所等のの廃止の届出)
本文
製造所、貯蔵所又は取扱所の所有者、管理者又は占有者は、当該製造所、貯蔵所又は取扱所の用途を廃止したときは、遅滞なくその旨を市町村長等に届け出なければならない。
解説
この法令は、製造所等の廃止の届出義務について規定されたものです。
目的としては、危険物施設は使用に際して届出や検査を行ってその危険物の内容などを把握しており、消防機関はそれらから火災危険を排除する対応をしています。
この届出は、それらの火災危険が残らないために廃止したことを関係機関に周知する目的があります。廃止というのは、例えば火災等で施設が破損した等の自己の意思に反して廃止した場合もこの法令の該当となります。
なおこの法令には罰則があり、命令に違反した者は、罰金30万円以下・拘留が定められています
第十二条の七(危険物の保安に関する業務を統括管理する者)
本文
同一事業所において政令で定める製造所、貯蔵所又は取扱所を所有し、管理し、又は占有する者で、政令で定める数量以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱うものは、政令で定めるところにより、危険物保安統括管理者を定め、当該事業所における危険物の保安に関する業務を統括管理させなければならない。
② 製造所、貯蔵所又は取扱所を所有し、管理し、又は占有する者は、前項の規定により危険物保安統括管理者を定めたときは、遅滞なくその旨を市町村長等に届け出なければならない。これを解任したときも、同様とする。
解説
第一項
この法令は、一定の事業所の所有者等に対して危険物保安統括管理者の選任義務とその任免の届出義務について定められています。
目的としては、大規模な事業所での危険物の保安に関する業務の重要性や保安防災の実効性から、事業所全般にわたる統括管理者の必要性があり作られた制度となっています。
この保安統括管理者を定める必要があるのは、政令で指定される施設で取り扱う第四類の危険物の最大数量の和が指定数量の三千倍以上となるものです。→とんでもなく多いところと言う認識で良いと思います。
ちなみにこの統括管理者については資格は必要ないので、実態に応じて管理的立場で統括管理できる人を定める必要があります。
なおこの法令には罰則があり、法令に違反した者は罰金30万円以下・拘留が定められています。
第二項
第二項では、危険物保安統括管理者を選任または解任した場合は、速やかにそれを届け出る義務について規定されています。
第十三条(危険物の保安を監督する者)
本文
政令で定める製造所、貯蔵所又は取扱所の所有者、管理者又は占有者は、甲種危険物取扱者で、六月以上危険物取扱いの実務経験を有するもののうちから危険物保安監督者を定め、総務省令で定めるところにより、その者が取り扱うことができる危険物の取扱作業に関して保安の監督をさせなければならない。
② 製造所、貯蔵所又は取扱所の所有者、管理者又は占有者は、前項の規定により危険物保安監督者を定めたときは、遅滞なくその旨を市町村長等に届け出なければならない。これを解任したときも、同様とする。
③ 製造所、貯蔵所及び取扱所においては、危険物取扱者(危険物取扱者免状の交付を受けている者をいう。以下同じ。)以外の者は、甲種危険物取扱者又は乙種危険物取扱者が立ち会わなければ、危険物を取り扱つてはならない。
解説
第一項
この法令は、一定の製造所等の所有者等に危険物保安監督者の選任義務及びその任免の届出義務が規定されています。また、危険物を取扱う場合には危険物取扱者の立会いを義務化しています。
目的としては、危険物に関する安全の確保のためには構造等の基準を守るだけでなく、人的又は動的な面での規制を行う必要があり、危険物取扱者及び危険物保安監督者の制度が設けられました。
なお危険物保安監督者になれる人は、甲又は乙の危険物資格を持っていて、6ヶ月以上の実務経験が必要とされています。また、危険物の取扱作業に関して保安の監督が義務付けられています。
この法令がガソリンスタンド等のバイトでは危険物の資格を持っている人が優遇される理由だと思います。
なおこの法令には罰則があり、法令に違反した者は、懲役6ヶ月・罰金50万円以下、罰金30万円以下・拘留が定められています。
第二項
第二項では、危険物保安監督者を選任及び解任した場合は速やかに届出を行わなければならないと規定されています。
第三項
第三項では、製造所等では危険物の資格を持ってない人は資格を持っている人が立ち会っていないと、危険物を取り扱うことができないと規定されています。
第十三条の二(危険物取扱者免状)
本文
危険物取扱者免状の種類は、甲種危険物取扱者免状、乙種危険物取扱者免状及び丙種危険物取扱者免状とする。
② 危険物取扱者が取り扱うことができる危険物及び甲種危険物取扱者又は乙種危険物取扱者がその取扱作業に関して立ち会うことができる危険物の種類は、前項に規定する危険物取扱者免状の種類に応じて総務省令で定める。
③ 危険物取扱者免状は、危険物取扱者試験に合格した者に対し、都道府県知事が交付する。
④ 都道府県知事は、左の各号の一に該当する者に対しては、危険物取扱者免状の交付を行わないことができる。
一 次項の規定により危険物取扱者免状の返納を命ぜられ、その日から起算して一年を経過しない者
二 この法律又はこの法律に基く命令の規定に違反して罰金以上の刑に処せられた者で、その執行を終り、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しないもの
⑤ 危険物取扱者がこの法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反しているときは、危険物取扱者免状を交付した都道府県知事は、当該危険物取扱者免状の返納を命ずることができる。
⑥ 都道府県知事は、その管轄する区域において、他の都道府県知事から危険物取扱者免状の交付を受けている危険物取扱者がこの法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反していると認めるときは、その旨を当該他の都道府県知事に通知しなければならない。
⑦ 前各項に規定するもののほか、危険物取扱者免状の書換、再交付その他危険物取扱者免状に関し必要な事項は、政令で定める。
解説
第一項
この法令は、危険物資格の免状の種類、交付及び返納について規定されています。また、免状の書換えや再交付などの免状に関する必要な事項を政令に委任しています。
目的としては、危険物施設や取扱いを安全に行うためには最低限の知識が必要であり、それを資格化し試験の合否によってそれを確保しています。
試験の合格者は危険物についての知識を有し、かつ危険物関係の法令についても理解しているとみなされ、それを証明するために免状があり、その運用についてもこの法令で定められています。
危険物取扱者免状の種類は「甲種、乙種、丙種」の三種類があります。
種類の違いは、取扱い出来る危険物が違うぐらいの認識で大丈夫です。
第二項
第二項では、各資格で扱える危険物の種類を政令で定めることを規定しています
第三項
第三項では、危険物取扱者免状は試験に合格した人に対して都道府県知事が交付するも規定されています。
危険物取扱者の資格はどこでとっても全国で使える>ので安心してください。
第四項
第四項では、次に該当する人に対して免状の交付を行わないようにできることが規定されています。
①次項の免状の返納を命令されて、そこから一年経過していない場合
②この法律関係で罰金以上の刑に処され、2年以上経過していない場合
第五項
第五項では、危険物の資格を持ったものが、この法律関係の規定に違反している場合は免状の返納を命ずることができると規定されています。
第六項
第六項では、都道府県知事はその管轄で別の都道府県知事から免状を交付された人がこの法律関係に違反している場合は、交付した都道府県知事に対してそれを通知することを規定しています。
第七項
第七項では、その他の危険物の免状に関して必要な事項は政令で定めるとしています。
第十三条の三(危険物取扱者試験)
本文
危険物取扱者試験は、危険物の取扱作業の保安に関して必要な知識及び技能について行う。
② 危険物取扱者試験の種類は、甲種危険物取扱者試験、乙種危険物取扱者試験及び丙種危険物取扱者試験とする。
③ 危険物取扱者試験は、前項に規定する危険物取扱者試験の種類ごとに、毎年一回以上、都道府県知事が行なう。
④ 次の各号のいずれかに該当する者でなければ、甲種危険物取扱者試験を受けることができない。
一 学校教育法による大学又は高等専門学校において化学に関する学科又は課程を修めて卒業した者その他その者に準ずるものとして総務省令で定める者
二 乙種危険物取扱者免状の交付を受けた後二年以上危険物取扱いの実務経験を有する者
⑤ 前各項に規定するもののほか、危険物取扱者試験の試験科目、受験手続その他試験の実施細目は、総務省令で定める。
解説
第一項
この法令は、危険物取扱者試験の内容、種類、受験資格について規定されています。また、試験科目、受験手続等を省令に委ねることも規定されています。
第二項
第二項では、危険物取扱者の試験は甲種、乙種、丙種の三種類があることが規定されています。
第二項
第三項では、前項の試験は種類ごとに各都道府県知事が年一回以上行うことが規定されています。
なので試験の回数が都道府県によりバラバラで、東京が最も多い状況となっております。
第四項
第四項では、甲種危険物取扱者の受験資格が規定されており、簡単にすると以下のとおりです。
①大学、高専で化学を専攻し卒業した人
②乙種の資格を取得後、2年以上の実務経験がある人
第五項
第五項では、その他危険物取扱者試験に必要な事項等は省令に定めると規定されています。
第十三条の四(危険物取扱者試験委員)
本文
都道府県は、危険物取扱者試験の問題の作成、採点その他の事務を行わせるため、条例で、危険物取扱者試験委員を置くことができる。
② 前項の危険物取扱者試験委員の組織、任期その他危険物取扱者試験委員に関し必要な事項は、当該都道府県の条例で定める。
解説
第一項
この法令は、危険物取扱者試験においてら問題の作成や採点等を行わせるための危険物取扱者試験委員を置くことが出来ると規定されています。
第二項
第二項では、危険物取扱者試験委員については、各都道府県が条例で定めることと規定されています。
昔はこの試験委員は必須だったみたいですが、指定試験機関制度が導入され、任意となったようです。
第十三条の五(危険物取扱者試験事務の委任)
本文
都道府県知事は、総務大臣の指定する者に、危険物取扱者試験の実施に関する事務を行わせることができる。
② 前項の規定による指定は、危険物取扱者試験事務を行おうとする者の申請により行う。
③ 都道府県知事は、第一項の規定により総務大臣の指定する者に危険物取扱者試験事務を行わせるときは、危険物取扱者試験事務を行わないものとする。
解説
第一項
この法令は、危険物取扱者試験の実施権者の都道府県知事から指定試験機関に試験事務の委任について規定されています。
その指定試験機関は、総務大臣が指定するものとなっており、現在は財団法人消防試験研究センターが指定されています。
第二項
第二項では、前項の指定は危険物取扱者試験事務を行おうとする者の申請により行うと規定されています。
第三項
第三項では、都道府県知事は危険物取扱者試験の事務を委任した場合は、その事務を行わないことを規定しています。
第十三条の六(指定の要件)
本文
総務大臣は、前条第二項の規定による申請が次の要件を満たしていると認めるときでなければ、同条第一項の規定による指定をしてはならない。
一 職員、設備、危険物取扱者試験事務の実施の方法その他の事項についての危険物取扱者試験事務の実施に関する計画が危険物取扱者試験事務の適正かつ確実な実施のために適切なものであること。
二 前号の危険物取扱者試験事務の実施に関する計画の適正かつ確実な実施に必要な経理的及び技術的な基礎を有するものであること。
三 申請者が、危険物取扱者試験事務以外の業務を行つている場合には、その業務を行うことによつて危険物取扱者試験事務が不公正になるおそれがないこと。
② 総務大臣は、前条第二項の規定による申請をした者が、次のいずれかに該当するときは、同条第一項の規定による指定をしてはならない。
一 一般社団法人又は一般財団法人以外の者であること。
二 この法律に違反して、刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者であること。
三 第十三条の十八第一項又は第二項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者であること。
四 その役員のうちに、次のいずれかに該当する者があること。
イ 第二号に該当する者
ロ 第十三条の九第二項の規定による命令により解任され、その解任の日から起算して二年を経過しない者
解説
第一項及び第二項
この法令は、前条の危険物取扱者試験の事務を委任する先を総務大臣が指定する際の要件について規定されています。一般の方にはあまり関係ないと思います。
その要件とは、
①事務を適正かつ確実に行えること
②事務の実施に関する計画の実施に必要な経理的及び技術的な基礎を有していること
③申請者が、この事務以外の業務を行なっている場合、この事務を行うことで不公正にならないこと
また①-③を満たしていても、
④一般社団法人又は一般財団法人以外のもの
⑤消防法に違反し、刑に処され、その執行等が終わってから2年経過していないもの
⑥この指定を取り消され、その後2年が経過しないもの
⑦役員が⑤に該当している
⑧役員が、消防法第十三条の九第二項の規定による命令により解任され、その後2年が経過しないもの
④-⑧に該当する場合は指定してはいけないとなっています。
第十三条の七(指定の公示等)
本文
総務大臣は、第十三条の五第一項の規定による指定をしたときは、当該指定を受けた者の名称及び主たる事務所の所在地並びに当該指定をした日を公示しなければならない。
② 第十三条の五第一項の規定による指定を受けた者は、その名称又は主たる事務所の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、その旨を総務大臣に届け出なければならない。
③ 総務大臣は、前項の規定による届出があつたときは、その旨を公示しなければならない。
解説
第一項
この法令は、指定試験機関の名称、主たる事務所の所在地、指定した日を公示について規定されています。一般の方にはあまり関係ありません。
第二項
第二項では、指定試験機関はその名称、所在地を変更する場合は二週間前までに届出をしなければならないと規定されています。
第三項
第三項では、総務大臣は第二項の届け出があった場合に、その旨を公示しなければならないと規定されています。
第十三条の八(委任の公示等)
本文
第十三条の五第一項の規定により指定試験機関にその危険物取扱者試験事務を行わせることとした都道府県知事は、当該指定試験機関の名称、主たる事務所の所在地及び当該危険物取扱者試験事務を取り扱う事務所の所在地並びに当該指定試験機関に危険物取扱者試験事務を行わせることとした日を公示しなければならない。
② 指定試験機関は、その名称、主たる事務所の所在地又は危険物取扱者試験事務を取り扱う事務所の所在地を変更しようとするときは、委任都道府県知事に、変更しようとする日の二週間前までに、その旨を届け出なければならない。
③ 委任都道府県知事は、前項の規定による届出があつたときは、その旨を公示しなければならない。
解説
第一項
この法令は、都道府県知事が指定試験機関に試験事務を委任する場合等における手続が規定されています。一般の方にはあまり関係ありません。
ある機関に委任することを決めた都道府県知事は以下の内容を総務大臣に報告し、公示する必要があります。
①当該指定試験機関の名称
②事務所の所在地
③当該事務所に試験事務を行わせることとした日
第二項
第二項では、指定試験機関は事務所の所在地を変更する場合は二週間前までに届出しなければならないと規定されています。
第三項
第三項では、委任都道府県知事は、第二項の届出があった場合は、その旨を公示しなければならないと規定されています。
なお、東京都を除く全都道府県に、財団法人消防試験研究センターの支部が存在します。
第十三条の九(役員の選任及び解任)
本文
指定試験機関の役員の選任及び解任は、総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。 ② 総務大臣は、指定試験機関の役員が、この法律(この法律に基づく命令又は処分を含む。)若しくは第十三条の十二第一項の試験事務規程に違反する行為をしたとき、又は危険物取扱者試験事務に関し著しく不適当な行為をしたときは、指定試験機関に対し、その役員を解任すべきことを命ずることができる。
解説
第一項
この法令は、指定試験機関の役員の選任と解任について、総務大臣の認可を受けないとその効力は生じないと規定されています。
第二項
第二項では、総務大臣は、指定試験機関の役員がこの法律等に違反した場合、または危険物取扱者試験事務において不適当な行為をした場合にその役員を解任することを命ずることができると規定されています。
本来、公益法人について役員の選任と解任について主務大臣の関与はありませんが、指定試験機関は消防法の目的に沿って事務を行うため、これを担保するために監督責任のある総務大臣の認可をえてそれを行うとされています。
第十三条の一〇(指定試験機関の危険物取扱者試験委員)
本文
指定試験機関は、総務省令で定める要件を備える者のうちから危険物取扱者試験委員を選任し、試験の問題の作成及び採点を行わせなければならない。
② 指定試験機関は、前項の危険物取扱者試験委員を選任し、又は解任したときは、遅滞なくその旨を総務大臣に届け出なければならない。
③ 前条第二項の規定は、第一項の危険物取扱者試験委員の解任について準用する。
解説
第一項
この法令は、指定試験機関が選任する危険物取扱者試験委員について規定されています。またこの委員は、試験の問題の作成及び採点を行うことも規定されています。
第二項及び第三項
第二項第三項では、指定試験機関はその委員を選任または解任した場合には届出等わ行うように規定されています。
また、委員の選任の要件は危険物規則第五十八条の五に規定されています。
第十三条の一一(守秘義務等)
本文
指定試験機関の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、危険物取扱者試験事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
② 危険物取扱者試験事務に従事する指定試験機関の役員及び職員は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
解説
第一項
この法令は、指定検査機関の役員、職員又はその前歴を有する者の秘密保持義務について規定されています。該当するのは現役の職員等だけでなく過去に在職し、また退職した人も含まれており、危険物取扱者試験事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならないとされています。
なおこの法令には罰則があり、法令に違反した者は、懲役一年以下・罰金100万円以下と定められています。
第二項
第二項では、罰則の適用について規定されており公務員と同じ処分を科されることとなっています
第十三条の一二(試験事務規程)
本文
指定試験機関は、総務省令で定める危険物取扱者試験事務の実施に関する事項について試験事務規程を定め、総務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
② 指定試験機関は、前項後段の規定により試験事務規程を変更しようとするときは、委任都道府県知事の意見を聴かなければならない。
③ 総務大臣は、第一項の規定により認可をした試験事務規程が危険物取扱者試験事務の適正かつ確実な実施上不適当となつたと認めるときは、指定試験機関に対し、これを変更すべきことを命ずることができる。
解説
第一項
この法令は、指定試験機関が定める試験事務規程について規定されています。
この規程を定め、また変更した場合は総務大臣の認可を受ける必要があるとされています。
第二項
第二項では、指定試験機関は試験事務規程を変更しようとするときは委任都道府県知事の意見を聞かなければならないと規定されています。
第三項
第三項では、総務大臣は第一項で定めた試験事務規程が不適当である場合に、これを変更することを命ずることができると規定されています。
第十三条の一三(事業計画、収支予算)
本文
指定試験機関は、毎事業年度、事業計画及び収支予算を作成し、当該事業年度の開始前に、総務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
② 指定試験機関は、事業計画及び収支予算を作成し、又は変更しようとするときは、委任都道府県知事の意見を聴かなければならない。
③ 指定試験機関は、毎事業年度、事業報告書及び収支決算書を作成し、当該事業年度の終了後三月以内に、総務大臣及び委任都道府県知事に提出しなければならない。
解説
第一項
この法令は、指定試験機関が事業計画と収支予算を作成するにあたっての要件等について規定されています。
第一項では、毎年事業計画及び収支予算を作成し、新年度の開始前に総務大臣の認可を受けなければならないという規定が定められています
第二項
第二項では、指定試験機関は事業計画及び収支予算を作成し、又は変更する場合は委任都道府県知事の意見を聴かなければならないと規定されています。
第三項
第三項では、指定試験機関は毎年事業報告書を及び収支決算書を作成し、年度末までに総務大臣及び委任都道府県知事に提出しなければならないと規定されています。
第十三条の一四(帳簿の備付・保存)
本文
指定試験機関は、総務省令で定めるところにより、危険物取扱者試験事務に関する事項で総務省令で定めるものを記載した帳簿を備え、保存しなければならない。
解説
この法令は、指定試験機関が備えるべき帳簿について規定されています。
指定試験機関は、危険物取扱者試験事務に関する事項を記載した帳簿を備え、保存しておかなければいけません。
なおこの法令には罰則があり、法令に違反した者は、罰金30万円以下と定められています。
第十三条の一五(監督命令等)
本文
総務大臣は、危険物取扱者試験事務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、指定試験機関に対し、危険物取扱者試験事務に関し監督上必要な命令をすることができる。
② 委任都道府県知事は、その行わせることとした危険物取扱者試験事務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、指定試験機関に対し、当該危険物取扱者試験事務の適正な実施のために必要な措置をとるべきことを指示することができる。
解説
この法令は、指定試験機関に対する総務大臣の監督及び委任都道府県知事の関与権について規定されています。
第一項
第一項では、総務大臣は、危険物取扱者試験事務が適正に行われる様に、監督上必要な命令ができると規定されています。
第二項
第二項では、第一項とほぼ同じで、都道府県知事が指定試験機関に支持できる権利について規定されています。
第十三条の一六(報告の徴収、立入検査)
本文
総務大臣は、危険物取扱者試験事務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、指定試験機関に対し、危険物取扱者試験事務の状況に関し必要な報告を求め、又はその職員に、指定試験機関の事務所に立ち入り、危険物取扱者試験事務の状況若しくは設備、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
② 委任都道府県知事は、その行わせることとした危険物取扱者試験事務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、指定試験機関に対し、当該危険物取扱者試験事務の状況に関し必要な報告を求め、又はその職員に、当該危険物取扱者試験事務を取り扱う指定試験機関の事務所に立ち入り、当該危険物取扱者試験事務の状況若しくは設備、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
③ 前二項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
④ 第一項又は第二項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
解説
この法令は、指定試験機関に対する総務大臣の報告徴収権及び立入検査権について規定されています。
目的としては、指定試験機関による危険物取扱者試験事務の適正な運営を図るためであると言えます。
第一項
第一項では、総務大臣は、危険物取扱者試験事務を適正に行わせるために、指定試験機関に対して必要な報告や立入検査を行うことができると規定されています。
第二項
第二項では、第一項と内容は同じで、総務大臣の部分が委任都道府県知事に変わるだけです。
第三項
第三項では、第二項の規定により立入検査を行う者にその身分を示す証明書を携帯し、請求があった場合に提示する義務について規定されています。第一項を根拠として行う場合は必要ないともとれます。
第四項
第四項では、この条文での立入検査の権限は犯罪捜査のためではないと明記されています。
第十三条の一七(指定試験機関の試験事務の休廃止)
本文
指定試験機関は、総務大臣の許可を受けなければ、危険物取扱者試験事務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
② 総務大臣は、指定試験機関の危険物取扱者試験事務の全部又は一部の休止又は廃止により危険物取扱者試験事務の適正かつ確実な実施が損なわれるおそれがないと認めるときでなければ、前項の規定による許可をしてはならない。
③ 総務大臣は、第一項の規定による許可をしようとするときは、関係委任都道府県知事の意見を聴かなければならない。
④ 総務大臣は、第一項の規定による許可をしたときは、その旨を、関係委任都道府県知事に通知するとともに、公示しなければならない。
解説
この法令は、指定試験機関の危険物取扱者試験事務の休廃止について規定されています。
目的としては、指定試験機関は事務を委託されている立場のため簡単にその事務を休廃止することは認められないが、災害等の不可抗力によるものを考慮して、総務大臣が認める場合にのみそれが許されるとされています。
なおこの法令には罰則があり、法令に違反した者は、罰金30万円以下と定められています。
第一項
第一項では、指定試験機関は総務大臣の許可がなければ、危険物取扱者試験事務を休止したり廃止してはいけないと規定されています。
第二項
第二項では、危険物取扱者試験事務の適正かつ確実な実施が損なわれない場合にだけ第一項の許可が出来ると規定されています。
第三項
第三項では、総務大臣は第一項の許可をする場合は、関係委任都道府県知事の意見を聞かなければならないと規定されています。
第四項
第四項では、総務大臣は第一項の許可をした場合は、関係委任都道府県知事に通知及び公示しなければならないと規定されています。
第十三条の一八(指定の取消、停止)
本文
総務大臣は、指定試験機関が第十三条の六第二項各号のいずれかに該当するに至つたときは、その指定を取り消さなければならない。
② 総務大臣は、指定試験機関が次のいずれかに該当するときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて危険物取扱者試験事務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 第十三条の六第一項各号の要件を満たさなくなつたと認められるとき。
二 第十三条の十第一項、第十三条の十三第一項若しくは第三項、第十三条の十四又は前条第一項の規定に違反したとき。
三 第十三条の九第二項、第十三条の十二第三項又は第十三条の十五第一項の規定による命令に違反したとき。
四 第十三条の十二第一項の規定により認可を受けた試験事務規程によらないで危険物取扱者試験事務を行つたとき。
五 不正な手段により第十三条の五第一項の規定による指定を受けたとき。
③ 総務大臣は、前二項の規定により指定を取り消し、又は前項の規定により危険物取扱者試験事務の全部若しくは一部の停止を命じたときは、その旨を、関係委任都道府県知事に通知するとともに、公示しなければならない。
解説
この法令は、指定試験機関の指定の取消し、試験事務の停止命令について規定されています。
なおこの法令には罰則があり、法令に違反した者は、懲役一年以下・罰金100万円以下と定められています。
第一項
第一項では、総務大臣は指定試験機関が第十三条の六第二項各号のいずれかに該当する場合はその指定を取り消さなければならないと規定されています。
第二項
第二項では、総務大臣は指定試験機関が適正な事務を行ってない又は違反がある場合は指定の取り消し、試験事務の停止を命ずることができると規定されています。
第三項
第三項では、総務大臣は前二項の規定により指定の取り消し、試験事務の停止を命じたときは、その旨を関係委任都道府県知事に通知し、公示しなければならないと規定されています。
第十三条の一九(指定の取消等に伴う通知等)
本文
委任都道府県知事は、指定試験機関に危険物取扱者試験事務を行わせないこととするときは、その三月前までに、その旨を指定試験機関に通知しなければならない。
② 委任都道府県知事は、指定試験機関に危険物取扱者試験事務を行わせないこととしたときは、その旨を公示しなければならない。
解説
この法令は、委任都道府県知事が指定試験機関に試験事務を行わないようにする場合の手続きについて規定されています。
第一項
第一項では、試験事務を行わせないとする場合はその3ヶ月前までにその旨を指定試験機関に通知しなければならないと規定されています。
第二項
第二項では、試験事務を行わせないとする場合はその旨を総務大臣に報告し、公示しなければならないと規定されています。
第十三条の二〇(委任都道府県知事による試験事務の実施)
本文
委任都道府県知事は、指定試験機関が第十三条の十七第一項の規定により危険物取扱者試験事務の全部若しくは一部を休止したとき、総務大臣が第十三条の十八第二項の規定により指定試験機関に対し危険物取扱者試験事務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、又は指定試験機関が天災その他の事由により危険物取扱者試験事務の全部若しくは一部を実施することが困難となつた場合において総務大臣が必要があると認めるときは、第十三条の五第三項の規定にかかわらず、当該危険物取扱者試験事務の全部又は一部を行うものとする。
② 総務大臣は、委任都道府県知事が前項の規定により危険物取扱者試験事務を行うこととなるとき、又は委任都道府県知事が同項の規定により危険物取扱者試験事務を行うこととなる事由がなくなつたときは、速やかにその旨を当該委任都道府県知事に通知しなければならない。
③ 委任都道府県知事は、前項の規定による通知を受けたときは、その旨を公示しなければならない。
解説
この法令は、委任都道府県知事と指定試験機関の試験事務の実施等ついて規定されています。
第一項
第一項では、委任都道府県知事は、指定試験機関が試験事務を休止・停止等になった場合はその事務を行うと規定されています。
第二項
第二項では、総務大臣は第一項の規定により、試験事務を委任都道府県知事が行う事となった場合はその旨を通知しなければならないと規定されています。
第三項
第三項では、委任都道府県知事は第二項による通知を受けたときはその旨を公示しなければならないと規定されています。
第十三条の二一(委任都道府県知事への事務の引継ぎ)
本文
前条第一項の規定により委任都道府県知事が危険物取扱者試験事務を行うこととなつた場合、総務大臣が第十三条の十七第一項の規定により危険物取扱者試験事務の廃止を許可し、若しくは第十三条の十八第一項若しくは第二項の規定により指定を取り消した場合又は委任都道府県知事が指定試験機関に危険物取扱者試験事務を行わせないこととした場合における危険物取扱者試験事務の引継ぎその他の必要な事項は、総務省令で定める。
解説
この法令は、指定試験機関等の試験事務が休廃止・停止等により、委任都道府県知事が試験事務を行うことになった場合に、その手続き及び事務の引継ぎについて規定したものです。
第十三条の二二(処分等に係る審査請求)
本文
指定試験機関が行う危険物取扱者試験事務に係る処分又はその不作為については、総務大臣に対し、審査請求をすることができる。この場合において、総務大臣は、行政不服審査法第二十五条第二項及び第三項、第四十六条第一項及び第二項、第四十七条並びに第四十九条第三項の規定の適用については、指定試験機関の上級行政庁とみなす。
解説
この法令は、指定試験機関が行う処分等に係る審査請求は、総務大臣に対して行うことができると規定したものです。
審査請求については、行政不服審査法によるものとなります。
第十三条の二三(危険物取扱者講習)
本文
製造所、貯蔵所又は取扱所において危険物の取扱作業に従事する危険物取扱者は、総務省令で定めるところにより、都道府県知事が行なう危険物の取扱作業の保安に関する講習を受けなければならない。
解説
この法令は、製造所等で危険物の取扱作業に従事する危険物取扱者に、危険物の取扱作業の保安に関する講習を受ける義務が規定されています。
目的としては、石油化学等の進歩により新たな危険物の出現、それに対応する貯蔵及び取扱い方法も変化していきます。そのため、技術上の基準を定める法令の改正も頻繁に行われることから、定期的な講習を受けることで安全に運用しようとするものです。
講習を受ける必要のある者とは、
現在危険物の作業に従事している者であるため、資格を所有しているだけであれば講習を受ける必要はありません。
ただ、再度危険物の取扱作業に従事する場合は講習を受ける必要がありますのでご注意ください。
また講習を受ける期間については、
最初の時期は危険物取扱作業に従事することとなった日から一年以内で、二度目以降は、直近の講習を受けた日以後における最初の4月1日から3年以内とされています。
もし、受講すべき期間内に受講しなかった場合は、免状の返納命令の対象となりますので、お気をつけて下さい。
第十三条の二四(危険物保安統括管理者又は危険物保安監督者の解任)
本文
市町村長等は、危険物保安統括管理者若しくは危険物保安監督者がこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定に違反したとき、又はこれらの者にその業務を行わせることが公共の安全の維持若しくは災害の発生の防止に支障を及ぼすおそれがあると認めるときは、第十二条の七第一項又は第十三条第一項に規定する製造所、貯蔵所又は取扱所の所有者、管理者又は占有者に対し、危険物保安統括管理者又は危険物保安監督者の解任を命ずることができる。
② 第十一条の五第四項及び第五項の規定は、前項の規定による命令について準用する。
解説
この法令は、ある一定の場合に危険物保安統括管理者又は危険物保安監督者の解任を命ずることが出来ると規定されています。
第一項
第一項では、法律等に違反し、また公共の安全に支障を及ぼす可能性がある場合に危険物保安管理者又は危険物保安監督者の解任を命ずることができると規定されています。
第二項
第二項では、前項の命令については第十一条の五第四項及び第五項の規定を準用すると規定されています。
第十四条(危険物施設保安員)
本文
政令で定める製造所、貯蔵所又は取扱所の所有者、管理者又は占有者は、危険物施設保安員を定め、総務省令で定めるところにより、当該製造所、貯蔵所又は取扱所の構造及び設備に係る保安のための業務を行わせなければならない。
解説
この法令は、一定の製造所等の所有者等に対して危険物施設保安員を定め、施設面に係る保安業務を行う義務について規定されています。
製造所等の保安に関する業務を担当するのは、消防法第十三条により危険物保安監督者がいます。ただ、近年の技術の進歩により危険物施設のシステムは複雑化しており、それらの保安業務を危険物保安監督者だけに担当させるのは厳しいため、それらを補佐する役目の「危険物施設保安員」の設置が義務付けられました。
第十四条の二(予防規定)
本文
政令で定める製造所、貯蔵所又は取扱所の所有者、管理者又は占有者は、当該製造所、貯蔵所又は取扱所の火災を予防するため、総務省令で定める事項について予防規程を定め、市町村長等の認可を受けなければならない。これを変更するときも、同様とする。
② 市町村長等は、予防規程が、第十条第三項の技術上の基準に適合していないときその他火災の予防のために適当でないと認めるときは、前項の認可をしてはならない。
③ 市町村長等は、火災の予防のため必要があるときは、予防規程の変更を命ずることができる。
④ 第一項に規定する製造所、貯蔵所又は取扱所の所有者、管理者又は占有者及びその従業者は、予防規程を守らなければならない。
⑤ 第十一条の五第四項及び第五項の規定は、第三項の規定による命令について準用する。
解説
この法令は、予防規定の作成義務、認可、変更命令及び遵守義務について定められたものです。
目的としては、危険物の貯蔵・取扱いについては技術上の基準が法令で定められていますが、これはあくまで一般的なもので、各地の製造所等にはその各々で特殊な部分があり、法令だけでは対応できない場合がほとんどです。それを補完するために、この法令により具体的な部分を「予防規定」として作成し、消防機関にチェックさせ遵守することで安全を図っています。
なおこの法令には罰則があり、法令に違反した者は、懲役6ヶ月・罰金50万円以下と定められています。
第一項
第一項では、ある一定の製造所等ではその所有者等が火災予防のために予防規定を定め、市町村長等の認可を受けなければならないと規定されています。 予防規定の内容については、危険物規則第六十条の二に定まっています。
第二項
第二項では、市町村長等は予防規定の内容が火災予防のために適当でない場合は認可してはいけないと規定されています。
第三項
第三項では、市町村長等は火災予防のために必要な場合は予防規定の変更を命ずることが出来ると規定されています。
第四項
第四項では、予防規定を設けている製造所等の所有者や従業員はそれを守らなければならないと規定されています。
第五項
第五項では、第三項の命令は第十一条の五第四項及び第五項の規定を準用すると規定されています。
第十四条の三(保安検査及びその審査の委託)
本文
政令で定める屋外タンク貯蔵所又は移送取扱所の所有者、管理者又は占有者は、政令で定める時期ごとに、当該屋外タンク貯蔵所又は移送取扱所に係る構造及び設備に関する事項で政令で定めるものが第十条第四項の技術上の基準に従つて維持されているかどうかについて、市町村長等が行う保安に関する検査を受けなければならない。
② 政令で定める屋外タンク貯蔵所の所有者、管理者又は占有者は、当該屋外タンク貯蔵所について、不等沈下その他の政令で定める事由が生じた場合には、当該屋外タンク貯蔵所に係る構造及び設備に関する事項で政令で定めるものが第十条第四項の技術上の基準に従つて維持されているかどうかについて、市町村長等が行う保安に関する検査を受けなければならない。
③ 第一項又は前項の場合には、市町村長等は、これらの規定に規定する屋外タンク貯蔵所に係る構造及び設備に関する事項で政令で定めるものが第十条第四項の技術上の基準に従つて維持されているかどうかの審査を協会に委託することができる。
解説
この法令は、特定の製造所等の保安に関する検査について規定されており、また保安検査の一部の審査を危険物保安技術協会に委託出来ることが規定されています。
なおこの法令には罰則があり、法令に違反した者は拘留・罰金30万円以下と定められています。
第一項
第一項では、ある一定の屋外タンク貯蔵所又は移送取扱所の所有者等は、定められた期間ごとに保安に関する検査を受けなければならないと規定されています。
第二項
第二項では、屋外タンクで不等沈下などの問題が発生した場合には、定められている保安に関する検査を受けなければならないと規定されています。
第三項
第三項では、第一項及び第二項の検査を受けるときに、一定の審査を協会に委託できると規定されています。
第十四条の三の二(製造所等の定期点検等)
本文
政令で定める製造所、貯蔵所又は取扱所の所有者、管理者又は占有者は、これらの製造所、貯蔵所又は取扱所について、総務省令で定めるところにより、定期に点検し、その点検記録を作成し、これを保存しなければならない。
解説
この法令は、特定の製造所等の定期点検義務、点検記録の作成・保存義務について規定されています。
定期点検を行わなければならないのは、以下のとおりです。
①指定数量の倍数が10以上の製造所又は一般取扱所
②指定数量の倍数が150以上の屋内貯蔵所
③指定数量の倍数が200以上の屋外タンク貯蔵所
④指定数量の倍数が100以上の屋外貯蔵所
⑤地下タンク貯蔵所
⑥移動タンク貯蔵所
⑦地下タンクを有する給油取扱所
⑧特定移送取扱所以外の移送取扱所
また、定期点検の期間は一年に一回以上とされています。
なおこの法令には罰則があり、法令に違反した者は、拘留・罰金30万円以下と定められています。
第十四条の四(自衛消防組織の設置)
本文
同一事業所において政令で定める製造所、貯蔵所又は取扱所を所有し、管理し、又は占有する者で政令で定める数量以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱うものは、政令で定めるところにより、当該事業所に自衛消防組織を置かなければならない。
解説
この法令は、ある一定の製造所等において、自衛消防組織を設置する義務について規定されています。
目的としては、火災は発生してからの数分間が大事と言われますが、特に危険物施設ではその数分の行動次第でその後の被害に大きく関わってくる可能性があります。そのため、その被害等を最小限に抑えるために自衛消防組織を設置しそれらを達成しようとする目的があります。
自衛消防組織は、化学消防自動車とそれを操作するための人で構成されます。
その台数と人数は、指定数量の倍数により決められています。
第十五条(映写室の構造及び設備の基準)
本文
常時映画を上映する建築物その他の工作物に設けられた映写室で緩燃性でない映画を映写するものは、政令で定める技術上の基準に従い、構造及び設備を具備しなければならない。
解説
この法令は、映画フィルムを上映する映画館等で緩燃性でないものを使用する映写室では、政令で定める基準に従って構造及び設備を設置しなければならないと規定されています。
これは、昔の映画のフィルムにはニトロセルロースという物質を主体としたものがあり、その燃焼性は激しく、燃焼速度が大きいという特徴がありました。そのためこの法令で、それらを扱う場所を規制し安全を図ることが目的と言えます。
ただ、現在はデータで映像を流す方使用しているところがほとんどだと思うので、新しくできたところでこの法令を適用するのはほとんど無いと思います。レトロな雰囲気なところではまだあるかもしれませんね。
なおこの法令には罰則があり、法令に違反した者は、懲役一年以下・罰金100万円以下と定められています。
第十六条(危険物の運搬基準)
本文
危険物の運搬は、その容器、積載方法及び運搬方法について政令で定める技術上の基準に従つてこれをしなければならない。
解説
この法令は、危険物の運搬について、また容器、積載方法や運搬方法を技術上の基準に従わなければならないと規定されています。
目的としては、もともと危険物の運搬については各市町村の条例で規制されていましたが、実際危険物の運搬は複数の市町村をまたぐ広範囲なものとなります。そのため、技術上の基準が各々で定められると統一性がなく、実務的にも不便なのは明らかなので、それらが統一され法令として扱われるようになりました。
なおこの法令には罰則があり、法令に違反した者は、懲役3ヶ月・罰金30万円以下と定められています。
第十六条の二(危険物の移送)
本文
移動タンク貯蔵所による危険物の移送は、当該危険物を取り扱うことができる危険物取扱者を乗車させてこれをしなければならない。
② 前項の危険物取扱者は、移動タンク貯蔵所による危険物の移送に関し政令で定める基準を遵守し、かつ、当該危険物の保安の確保について細心の注意を払わなければならない。
③ 危険物取扱者は、第一項の規定により危険物の移送をする移動タンク貯蔵所に乗車しているときは、危険物取扱者免状を携帯していなければならない。
解説
この法令は、移動タンク貯蔵所で危険物を移送する場合の危険物取扱者の乗車義務、任務、免状携帯義務を定めています。
目的としては、現在、日本では危険物を輸送する手段としてはタンクローリーが主要となっています。昔は危険物の移送についてタンクローリーは非該当だったため、安全を図るために規制されました。
なおこの法令には罰則があり、法令に違反した者は、懲役3ヶ月・罰金30万円以下と定められています。
第一項
第一項では、危険物取扱者の同乗義務が規定されています。
第二項
第二項では、危険物の移送に関しての基準を遵守し、かつ危険物の保安の確保について細心の注意を払うと規定されています。
第三項
第三項では、危険物取扱者は第一項により同乗しているときは、危険物取扱者免状を携帯していなければならないと規定されています。
第十六条の三(製造所等についての応急措置及びその通報並びに措置命令)
本文
製造所、貯蔵所又は取扱所の所有者、管理者又は占有者は、当該製造所、貯蔵所又は取扱所について、危険物の流出その他の事故が発生したときは、直ちに、引き続く危険物の流出及び拡散の防止、流出した危険物の除去その他災害の発生の防止のための応急の措置を講じなければならない。
② 前項の事態を発見した者は、直ちに、その旨を消防署、市町村長の指定した場所、警察署又は海上警備救難機関に通報しなければならない。
③ 市町村長等は、製造所、貯蔵所又は取扱所の所有者、管理者又は占有者が第一項の応急の措置を講じていないと認めるときは、これらの者に対し、同項の応急の措置を講ずべきことを命ずることができる。
④ 市町村長は、その管轄する区域にある移動タンク貯蔵所について、前項の規定の例により、第一項の応急の措置を講ずべきことを命ずることができる。
⑤ 市町村長等又は市町村長は、それぞれ第三項又は前項の規定により応急の措置を命じた場合において、その措置を命ぜられた者がその措置を履行しないとき、履行しても十分でないとき、又はその措置の履行について期限が付されている場合にあつては履行しても当該期限までに完了する見込みがないときは、行政代執行法の定めるところに従い、当該消防事務に従事する職員又は第三者にその措置をとらせることができる。
⑥ 第十一条の五第四項及び第五項の規定は、第三項又は第四項の規定による命令について準用する。
解説
この法令は、製造所等における危険物の流出等の事故における応急措置及び措置の命令、関係行政庁への通報義務について規定されています。
なおこの法令には罰則があり、虚偽の通報をした者は、拘留・罰金30万円以下。命令に違反した者は、懲役6ヶ月・罰金50万円以下 と定められています。
第一項
第一項では、危険物施設で危険物の流出等の事故が発生した場合に、速やかにその応急措置を行うことについて規定されています。
第二項
第二項では、危険物の流出等を発見した人は速やかに消防署等に通報することと規定されています。
第三項
第三項では、市町村長等は第一項の応急措置が不十分と認める場合には、必要な応急措置を行うように命令できると規定されています。
第四項
第四項では、市町村長は管轄する区域の移動タンク貯蔵所に対して第一項の応急措置を命ずることができると規定されています。
第五項
第五項では、市町村長等が応急措置を行うように命令を行ったにもかかわらずそれを履行しない時には行政代執行を行うことが出来ると規定されています。
第六項
第六項では、命令については消防法第十一条の五第四項及び第五項の規定を準用するとされています。
第十六条の三の二(危険物流出等の事故原因調査)
本文
市町村長等は、製造所、貯蔵所又は取扱所において発生した危険物の流出その他の事故であつて火災が発生するおそれのあつたものについて、当該事故の原因を調査することができる。
② 市町村長等は、前項の調査のため必要があるときは、当該事故が発生した製造所、貯蔵所若しくは取扱所その他当該事故の発生と密接な関係を有すると認められる場所の所有者、管理者若しくは占有者に対して必要な資料の提出を命じ、若しくは報告を求め、又は当該消防事務に従事する職員に、これらの場所に立ち入り、所在する危険物の状況若しくは当該製造所、貯蔵所若しくは取扱所その他の当該事故に関係のある工作物若しくは物件を検査させ、若しくは関係のある者に質問させることができる。
③ 第四条第一項ただし書及び第二項から第四項までの規定は、前項の場合について準用する。
④ 消防庁長官は、第一項の規定により調査をする市町村長等から求めがあつた場合には、同項の調査をすることができる。この場合においては、前二項の規定を準用する。
解説
この法令は、製造所等で発生した危険物流出等の事故で、危険性の高いものについて調査を行うことについて規定されています。
目的としては、事故の原因を精確に調査することにより、その調査結果の蓄積・分析に基づく的確な事故防止対策に繋げていくことが必要とされています。
なおこの法令には罰則があり、法令に違反した者は、拘留・罰金30万円以下と定められています。
第一項
第一項では、市町村長等は危険物施設において危険物の流出等の事故により火災が発生するおそれのあったものについて、その原因の調査をすることができると規定されています。
第二項
第二項では、市町村長等は前項の調査に必要がある時は当該施設等に対して、資料提出の命令する権利、質問する権利、検査する権利が付与されています。
第三項
第三項では、前項の権利については消防法第四条を準用すると規定されています。
第四項
第四項では、消防庁長官は第一項により市町村長等から求めがあった場合は、調査を行うことが出来ると規定されています。
第十六条の四(手数料)
本文
総務大臣が行う移送取扱所の設置若しくは変更の許可、完成検査又は保安に関する検査を受けようとする者は、政令で定めるところにより、実費を勘案して政令で定める額の手数料を、国に納めなければならない。
② 第十三条の二十三の規定により総務大臣が指定する機関で市町村長以外のものが行う危険物の取扱作業の保安に関する講習を受けようとする者は、政令で定めるところにより、実費を勘案して政令で定める額の手数料を当該指定講習機関に納めなければならない。
③ 前項の規定により指定講習機関に納められた手数料は、当該指定講習機関の収入とする。
④ 都道府県は、地方自治法第二百二十七条の規定に基づき危険物取扱者試験に係る手数料を徴収する場合においては、第十三条の五第一項の規定により指定試験機関が行う危険物取扱者試験を受けようとする者に、条例で定めるところにより、当該手数料を当該指定試験機関へ納めさせ、その収入とすることができる。
解説
この法令は、総務大臣が行う移送取扱所の許可等の行政処分に係る手数料、危険物取扱者講習の手数料等について規定されたものです。
手数料について全国的に統一すべき事務をさだめ、また標準事務の手数料の金額を定めることを明記しています。
第一項
第一項では、移送取扱所の設置や完成検査等を受ける者は、政令で定める手数料を国に納めなければならないと規定されています
第二項
第二項では、危険物取扱者講習の手数料について規定されています。
第三項
第三項では、指定講習機関に納められた手数料は当該指定講習機関の収入になると規定されています。
第四項
第四項では、危険物取扱者試験の手数料については受験者から指定試験機関に納めさせることが出来ると規定されています。
第十六条の五(質問、検査等)
本文
市町村長等は、第十六条の三の二第一項及び第二項に定めるもののほか、危険物の貯蔵又は取扱いに伴う火災の防止のため必要があると認めるときは、指定数量以上の危険物を貯蔵し、若しくは取り扱つていると認められるすべての場所の所有者、管理者若しくは占有者に対して資料の提出を命じ、若しくは報告を求め、又は当該消防事務に従事する職員に、貯蔵所等に立ち入り、これらの場所の位置、構造若しくは設備及び危険物の貯蔵若しくは取扱いについて検査させ、関係のある者に質問させ、若しくは試験のため必要な最少限度の数量に限り危険物若しくは危険物であることの疑いのある物を収去させることができる。
② 消防吏員又は警察官は、危険物の移送に伴う火災の防止のため特に必要があると認める場合には、走行中の移動タンク貯蔵所を停止させ、当該移動タンク貯蔵所に乗車している危険物取扱者に対し、危険物取扱者免状の提示を求めることができる。この場合において、消防吏員及び警察官がその職務を行なうに際しては、互いに密接な連絡をとるものとする。
③ 第四条第二項から第四項までの規定は、前二項の場合にこれを準用する。
解説
この法令は、製造所等の所有者等に対する市町村長等の資料提出命令権、報告徴収権、立入検査権、質問権及び危険物の収去権等について規定されたものです。建物に立入検査が入るときの根拠法令としてよく言われるのが法第四条で、危険物施設に入る根拠法令はこの法第十六条とされています。
なおこの法令には罰則があり、法令に違反した者は、拘留・罰金30万円以下と定められています。
第一項
第一項では、市町村長等の権限による危険物施設の立入検査権、資料提出命令権、報告徴収権、危険物の収去権などが規定されています。
第二項
第二項では、消防吏員や警察官は危険物の移送で危険がある場合、走行中の移動タンクを停止させることができると規定されています。またその際に危険物取扱者に免状の提示を求めることが出来るとされています。
第三項
第三項では、前項については消防法第四条第二項から第四項を準用するとされています。
第十六条の六(無許可貯蔵等の危険物に対する措置命令)
本文
市町村長等は、第十条第一項ただし書の承認又は第十一条第一項前段の規定による許可を受けないで指定数量以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱つている者に対して、当該貯蔵又は取扱いに係る危険物の除去その他危険物による災害防止のための必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
② 第十一条の五第四項及び第五項の規定は前項の規定による命令について、第十六条の三第五項の規定は前項の規定による必要な措置を命じた場合について、それぞれ準用する。
解説
この法令は、無許可施設等に対する市町村長等の措置命令について規定されたものです。
目的としては、危険物を取り合う場合には規制等がかかり、それらを無許可で使用することは非常に危険性が高いため、それらを防止するためのものとなっています。
第一項
第一項では、無許可で指定数量以上の危険物を貯蔵・取り合いするものに対して、それらを除去等することを命令する権利について規定されています。
第二項
第二項では、命令については第十一条の五第四項及び第五項の規定を準用するとされています。
第十六条の七(行政庁の変更と行政処分等の効力)
本文
消防本部若しくは消防署の設置若しくは廃止又は市町村の廃置分合若しくは境界変更があつたことにより、新たに消防本部及び消防署が置かれることとなつた市町村若しくは消防本部及び消防署が置かれないこととなつた市町村の区域又は当該廃置分合若しくは境界変更に係る市町村の区域に係る第十一条、第十一条の二、第十一条の四、第十一条の五第一項及び第二項、第十二条第二項、第十二条の二から第十二条の四まで、第十二条の六、第十二条の七第二項、第十三条第二項、第十四条の二第一項及び第三項、第十四条の三、第十六条の三第三項及び第四項並びに前条の規定による権限を有する行政庁に変更があつた場合における変更前の行政庁がした許可その他の処分又は受理した届出の効力その他この章の規定の適用に係る特例については、政令で定める。
解説
この法令は、製造所等に関する設置許可などの許可、命令や届出の受理を行う行政庁に変更があった場合に、それらの処分の効力の継続について政令で定めると規定されています。
第十六条の八(地方公共団体が処理する事務)
本文
この章に規定する総務大臣の権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、都道府県知事又は市町村長が行うこととすることができる。
解説
この法令は、自治事務を政令で定めることを規定したものです。
昭和49年に新設された法令で、その当時の法令が廃止されたと同時に平成11年の改正により現在の制度になりました。
しかし、現在自治事務とされたものはないようです。
第十六条の八の二(緊急時における総務大臣の指示)
本文
総務大臣は、公共の安全の維持又は災害の発生の防止のため緊急の必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、都道府県知事又は市町村長に対し、この章又は前条の規定に基づく政令の規定により都道府県知事又は市町村長が行うこととされる事務のうち政令で定めるものの処理について指示することができる。
解説
この法令は、危険物規制事務が自治事務となり、国の緊急時の指示を可能とするために規定されています。
目的としては、危険物規制事務は国民の生命等に直接関係するものであるため、緊急時には国の言うことを聞くようにしています。
国が指示できる内容は、以下のとおりです。
①危険物をの貯蔵取扱基準遵守命令
②製造所等の位置、構造及び設備の基準への適合命令
③製造所等の緊急使用停止命令等
④製造所等についての応急措置命令
⑤無許可貯蔵等の危険物に対する措置命令
第十六条の九(適用除外)
本文
この章の規定は、航空機、船舶、鉄道又は軌道による危険物の貯蔵、取扱い又は運搬には、これを適用しない。
解説
この法令は、航空機、船舶、鉄道又は軌道による危険物の貯蔵・取扱い及び運搬については法第三条の規定の適用はしないと規定したものです。
なぜ航空機等だけが適用外になるのかというと、航空機等による危険物の取扱い等においては移動性等の特殊性があり、また航空法、船舶安全法、鉄道営業法等による事故防止のために十分な措置がとられているからだと言えます。
ちなみに航空機等によるというのは、内部における部分であり、それ以外の外部の施設等に関しては第三条の規定はそのまま適用されるようです。
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